通話するだけなのにパターンがあるなんて不思議だと感じる方もいると思います。
でも、スマホでは通話するときに使う通信経路によって区別することも可能です。それは携帯電話会社の通話回線を使うパターンとインターネット回線を使うパターンです。
これらを以下で簡単に説明します。
1.電話の通話回線を使うパターン
これは、まあ割と当たり前のことですが、次の項目と対比するという意味で記載しておきます。
スマホが出現する前の携帯電話(ケータイ)の場合なら、「通話する」というのは電話番号を指定して電話をかけて通話する、という1パターンだけでした。
ケータイと同じように電話アプリを使い、電話番号を指定して通話することができるのはスマホでも変わりません。
これは携帯電話会社の通話網を使った通話のパターンです。
そしてこのパターンの通話料金は携帯電話会社との契約に基づいて請求されます。
格安携帯電話の場合なら、現在は 22円/30秒 もしくは 11円/30秒 程度が基本です。但し、かけ放題オプションやかけ放題プランのように、通話時間の長さに関わらず定額を支払えばいい場合があるので、一律にこの価格という訳ではありません。
2.インターネット回線を使うパターン
スマホでは携帯電話会社の通話網を使う電話アプリ以外に、通話機能を持つアプリが幾つもあります。実はこれらのアプリは携帯電話の通話網ではなく、インターネットを使うことで通話が可能になっています。
このパターンで、よく聞くのはLINEというアプリでの通話でしょうか。
インターネット回線を使った通話の料金はどうなるでしょうか?
実は通話自体は無料です。ですが、インターネット上の通信を利用しているので、インターネット通信のデータ量は消費しています。
LINEでの通話では、1分間あたり約0.3MBのデータ量を消費するようです。MB(メガバイト)という単位は、よく聞くGB(ギガバイト)の約1/1000です。
従って、LINE通話で1GB消費するということは、約3333分(=約55時間)の通話をするということになります。1GBあたりの通信料金は携帯会社によって大きく変わるのでこのページをご覧になっている方の通話料金の計算は各自におまかせするとしましょう。
ここでは例として、月々の基本料金が1000円でデータ通信量が2GBだったとした場合の格安携帯会社と契約している場合の通話料金を計算してみます。
この場合は1GBが500円なので、3333分の通話で500円ということになります。30秒あたりにすると約0.075円です。
上記の格安携帯電話での通話料11~22円/30秒と比べると、インターネット回線を使った実質的な通話料金は1/100以下ということになります。
この結果から分かるように、インターネット回線を使った通話はとても安くなります。
但し、インターネット回線はいつでも安定して繋がるという保証はないので、通話が不安定になることがあっても致し方ありません。不安定になると言うのは、音声が途切れ途切れになったり、通話が切れてしまったりという現象が発生するということです。それでもインターネットはよほどのことがない限り完全に切断されてしまうことはありませんし、国際的なネットワークもだんだんと増強されていますからそんなに心配することはないと思います。
もう一つのインターネット回線での制限といえば、電話番号を知っていれば誰宛てであっても通話できる訳ではないということです。LINEアプリであれば、まず友だち登録が完了してからでないとその相手と通話することはできません。
これとは反対に、携帯電話会社がそれなりのコストをかけて日々整備している携帯電話網は、必要なときに安定して繋がることが保証されていて、電話番号さえ分かれば任意の相手を呼び出すことができるものです。ですので、その分のコストが通話料金に反映されるのも無理はないかなあと理解することもできるのではないでしょうか。(念のためですが、私は携帯電話会社の回し者ではありませんよ。)