今回は、最近続けている悪質なメールの例の4番目です。
今回のメールではただ脅かし、結局ビットコインを払わせようという内容です。
1.実例
今回はメールの始まりの部分だけ紹介します。途中はずいぶんと下品になるので省略します。
タイトルは「未払いがございます。」から始まり、なんだか少し丁寧な感じがしますが、結局「債務の決済が必要」というありがちな言葉で終わっています。
メールの差出人は、もちろん知らないアドレスの誰かですが、実在してもおかしくないような雰囲気のものです。
本文は「こんにちは!」で始まり、ちょっと爽やかな感じですが、「残念ながら、不快なお知らせが」というところですっかりムードが変わってしまいます。
上図の本文内では、あなたのすべての端末にアクセスできるようになったことと、数ヶ月にわたりあなたのインターネット活動を監視していることが書かれています。
ここから後の文章でメールの差出人が実行したと主張するものは次の通りです。
- ハッカーからあなたのメールアカウントのアクセス権を購入した
- メールシステムを利用して、あなたの全端末にウィルスを仕込んだので自由に制御可能になった
- あなたの端末、SNS、チャット、連絡先のデータを入手した
- あなたの端末の画面やカメラに映る映像を録画した
以上のことから、入手又は録画したデータを、一般に又は知り合いに公開されたくなければビットコインで支払いをせよ、と続きます。
そこから後は、メールに返信するなとか、警察や友人を呼ぶなとかの注意書きです。
しかも一番最後に全てのパスワードを変更するようにとまで勧めています。
2.対応と感想
このようなメールに対する対応は、もちろん「無視」です。そのまま「ゴミ箱」フォルダに移動してください。
本当にあなたの端末の全ての動きが監視されていたとすれば、この数カ月の間にログインしたウェブサイトのIDとパスワードは、メールの本当の差出人には伝わっていてもおかしくありません。でも、それらを利用した形跡は無いのではありませんか?
このメールは、警察沙汰にしないで、大人しくビットコインを支払う人を選別するために作成されたと考えるのが自然な気がします。
メールの中には、あなたの端末のカメラで録画された映像についての描写がありますが、とても貧弱でぼんやりとした内容です。とても、「これならあなただ」と特定できるような表現はどこにもありません。まるでどこかの予言のような表現です。
もちろん入手したデータを一つも開示しないで脅す人がいるかもしれませんが、信憑性を増して脅しの成功率を上げたいならば、もっと分かりやすい証拠を提示するのではないでしょうか。
ということで、このようなメールを受け取ったとしても「あなた」がターゲットになっているとは考えないようにしましょう。
メールの本当の差出人は、同じ内容のメールを、ものすごく沢山の人に送信しているだけなのですから。
今回は短いですが、悪質なメールの例4の話はこれでおしまいです。