Chromeのシークレットタブ

今回はシークレットタブについての話です。

シークレットというのは秘密のことなので、今回の話は「秘密のタブ」です。

初心者でシークレットタブに興味津津というのはあまりないかもしれません。でも、この名前を聞くと何がヒミツなのかと想像をふくらませる可能性はあります。

以下ではシークレットタブを利用開始する手順と、どういう働きをするものなのかについて順に説明します。

1.シークレットタブを開く

一番分かりやすそうなChromeのホーム画面から始めようと思います。

上図の画面右上にある三点メニューアイコン「︙」をタップすると、下図のメニューが表示されます。

このメニューの中の「新しいタブ」は以前の話で使用したことがあります。

今回使うのはそのすぐ下にある「新しいシークレット…」メニューです。これをタップしてください。

するとシークレットモードのタブ (以下ではシークレットタブと言います) が開きます。

大変残念なのですが、シークレットタブはスクリーンショットを撮ることができないので、図示しないで少し話を進めます。

このシークレットタブには「シークレットモードです」と表示されているのですぐに判別できます。

このタブで例えば Google にアクセスすると、ウェブページ自体は通常通り表示されますが、画面最上部に表示されるホームアイコン、URLなどの部分は白黒反転して表示されていることに気づくと思います。この配色の違いや、URLの欄の一番左側に下図のアイコンが表示されることから判別できます。

2.シークレットタブの働き

このブログは初心者向けなので、あえて話を単純にしてお伝えしようと思います。

より詳細に、より正確に知りたいという場合には、シークレットタブの中にある「詳細」のリンクをタップしてもらえれば Google 謹製の色々な説明がありますので、そちらを参照してください。

シークレットタブというのは次のようなものです。

  • 起動されたときに履歴や既存のクッキー情報を持たない
  • 終了すると履歴や取得したクッキーが削除される

まず、起動されたときの状況について簡単に話をします。

起動する前は通常のタブを使っていました。このタブには色々な履歴があったり、ウェブサイトによってはChromeが既にクッキー情報を保持しているかもしれません。でも、このような情報を保持しているタブから起動されたシークレットタブには同じ情報はありません。

例えば、シークレットタブを表示させてGoogleのウェブサイトを表示すると、画面内に「ログイン」というリンクが表示されます。

Android端末を使ってGoogleのウェブサイトを閲覧すると、通常はAndroidを使っているユーザーでGoogleにログインされた状態になっているはずなので、まるで「あなたは誰?」と言わんばかりに「ログイン」が表示されるはずがありません。

ログインされた状態かどうかという情報はクッキーの中に保存されているので、クッキーが無いということはログインしたことが無いという状態と同じです。ですから、Googleのウェブサイトはあなたがログインしていないユーザーだと思って「ログイン」のリンクをウェブページに表示します。

同様に、通常のタブではログインしていたウェブサイトを閲覧しても、シークレットタブではログイン前の状態で表示されるはずです。

このように、同じChromeアプリを使って同じウェブサイトを閲覧したとしても、通常のタブではログイン済みの「あなた」が閲覧していることがウェブサイト側で判定できるのですが、シークレットタブを使い始めたときにはウェブサイト側では同じ「あなた」が閲覧しているとは判別できません。そういう意味では、そのウェブサイトに対して「あなた」の存在が秘密になったといえます。

但し、シークレットタブを使って、そのウェブサイトにログインすると、通常のタブでログインしていた「あなた」が再度ログインしたとウェブサイト側に知られてしまいます。

あくまでログインさえしなければ、「あなた」の存在がそのウェブサイトには知られることはないというだけです。

では、次に終了するときの状況について簡単に話をします。

これは割と簡単で、とにかくシークレットタブを使って閲覧した履歴やクッキーの情報はスマホのメモリやChromeの記憶領域の中から削除してしまうということです。

注意すべきは「全てのシークレットタブが終了/閉じられたとき」なので、シークレットタブを2つ作って、1つを閉じただけでは情報は削除されません。シークレットタブを2つ作ったなら、2つを閉じたときに情報の削除が行われるということです。

通常のタブであれば閉じたとしても、Chromeの履歴として閲覧したウェブページの記録が残ります。クッキーも残っているので、クッキーの有効期間内であれば、ログインしていた状態も保持されていると思います。

でも、シークレットタブであれば、使用後に何の情報も残らないので、シークレットタブで何をしていたかを確認することはできません。この意味で「あなた」の操作が秘密になったと言えます。

そうは言っても、シークレットタブでどこかのウェブサイトを閲覧したとか、ログインしたという情報は、そのウェブサイトには残りますから、完全に秘密になったという訳ではありません。

3.おわりに

ここで伝えたかったのは、「シークレットタブなら何をしても誰にも分からない」と思うのは間違いだということです。

ウェブサイト側には閲覧されたという記録が残りますし、ログインしていればそれは「あなた」だということも判別がつきます。

Chromeに何の記録が残らないとはいっても、あるウェブサイトのサービスを他人と共有していれば、そのウェブサイトの記録を見れば何をしていたか判明する場合もあります。

シークレットタブを使いたいと思ったときには、その使い方で秘密にしたい相手に、自分の行動がちゃんと秘密にできるものなのかどうかを一度考えてみた方がいいと思います。

今回のシークレットタブについての話はこれでおしまいです。