今回はウェブサイトのクッキーについての基礎の話です。
最近インターネット上の規制が次々と追加される中、ウェブサイトを閲覧する際に使用するクッキーというデータについてもユーザーの同意が必要になっています。なので、既にクッキーと言う言葉を見たり聞いたりしたことがあるかもしれません。
ちなみに、クッキーの英語表記は Cookie です。
それでは今回の話を始めます。
1.クッキーとは
クッキーというのは、ウェブサイトと皆さんが使っているウェブブラウザ(例えばChrome)の間でやり取りする補助的なデータで、各ウェブサイト毎に分類してウェブブラウザが記憶しています。
ものすごく単純に話をすると、クッキーの実際のデータは、クッキーの名前・値・有効期限の3つのデータを1組として、各ウェブサイトがそれぞれ必要な組数使っているデータの集合です。(3つのデータは主要なもので、その他にも若干ありますが…)
一覧表にすると各ウェブサイト毎に次のような3列の表があるようなものです。
2.クッキーの用途
このデータをウェブサイトがどう使っているのかという話をしましょう。
例えばの話ですが、あるウェブサイトでは表示する文字の大きさを設定できるとしましょう。1回目に閲覧したとき、元々の文字の大きさが小さすぎるとか大きすぎると感じたので文字サイズを調整しました。
皆さんが2回目にこのウェブサイトのウェブページを表示したときに、やっぱり文字が小さすぎたり大きすぎたりすると、文字サイズを再調整しなければなりません。ユーザーにしてみればこれはとても面倒です。
また、あるウェブサイトにIDとパスワードを使ってログインしたとしましょう。この場合には「さっきログインに成功した」という情報が保存されていないと、「マイページ」のようなログインが必要なページを閲覧しようとするたびにログインしなければならなくなります。これもユーザーには本当に面倒なことです。
このような面倒をなくすために、クッキーのデータには「文字のサイズはこれです」とか「ログイン前です」とか「ログイン成功しました」という情報が含まれています。
但し、例えばログイン情報の場合は、一度ログインが成功したからといっていつまでもウェブサイトを利用し続けることができるのは危険なので、有効期限が必要になります。
3.クッキーの分類
上で話したようにクッキーはウェブページ閲覧の利便性を向上させるために使われています。
クッキーの利用目的によって以下の4つに分類されることが多いです。
- 必須クッキー
- 機能クッキー
- パフォーマンスクッキー
- マーケティングクッキー/ターゲット型クッキー
それぞれを簡単に説明すると次のようになります。
必須クッキーは、その名の通りで、このクッキーデータが無いとウェブページをまともに閲覧することができないものです。
機能クッキーは、ウェブサイト/ウェブページが提供する機能を実現するために必要なクッキーです。これが無かったとしてもウェブページを閲覧することはできますが、このクッキーによって実現されている機能が無効になります。例えばログインできなくなるということが挙げられます。
パフォーマンスクッキーは、(私だけかもしれませんが…)名前を見て誤解してしまいそうなクッキーです。このクッキーがあっても、あなたがページ閲覧するときにウェブページの表示スピードが上がるわけではありません。そのウェブページがどれくらい利用されているかとか、どこからアクセスされているかというようなデータをウェブサイトが収集して、ウェブページのパフォーマンスを測定するために必要なクッキーです。
この話を聞くとちょっと不安になるかもしれませんが、ウェブサイトが「あなた」を特定して情報収集するわけではありません。ウェブサイト側としてはこのようにウェブページを利用していった人がいた、というだけで。それがどのユーザーのものなのかという情報は収集しないように工夫されています(のはずです)。このクッキーが無かったとしてもウェブページの閲覧や機能の利用には何の影響もありません。
マーケティングクッキー/ターゲット型クッキーというのは、(多くの場合)ウェブページの提供元ではなく第三者(Googleがメインだと思いますが…)があなたのウェブページ閲覧体験を複数のウェブサイトを横断して分析し、あなたに最適な広告を表示するために使用するクッキーです。このクッキーがなくてもウェブページの閲覧や機能の利用には何の影響もありません。
唐突ですが、以上の4種のクッキーは個人情報の提供にも繋がります。最近では個人情報を収集するときの規制が世界的に厳しくなってきているので、ウェブサイト運営側はウェブサイトのユーザーからクッキーに関する使用許可を得なければならないことがしばしばあります。
4.クッキー使用許可
最初に言っておきますが、使用を許可するかどうかを決めるのはウェブページのユーザーである「あなた」です。
あなたがあるウェブページを閲覧したとき、ページの下の方や、ウェブページの表示領域の中央にクッキーに関するダイアログが表示されたことはないでしょうか?
このとき、上記のようにグループ分けされて有効/無効が選択できるようになっているならば、自分の好みに応じて積極的に設定するべきです。
必須クッキーは選択の余地がなく、機能クッキーはウェブサイトの機能を利用するならばどうしても有効にしなければなりません。この後のパフォーマンスクッキーとマーケティングクッキー/ターゲット型クッキーは、好みに応じてなるでしょうか。
ダイアログに表示されたボタンはよく確認しないと、「全て有効」のボタンをタップしてしまいがちです。何故なら、このボタンが一番目立つように配置されているからです。ウェブサイト運営側としてはできるだけ情報を集めたいのですから当然です。
自分で有効/無効を設定したいというならば、「設定を保存」という感じのボタンをタップするようにしてください。間違って「全て有効」ボタンをタップすると、選択した意味がありません。
以上でクッキーの基礎についての話はおしまいです。