今回はスマホのカメラについての話です。
スマホについているカメラというのは、今やなくてはならないものであり、日々当然のように利用しているものです。
現在のスマホカメラの性能は非常に高くなっているので、カメラを単体で購入するというのは、かなりこだわりがある人なのではないかと感じるほどです。
基本的にはオートモードで撮影すれば大抵の場合は必要十分な写真が撮影できると思います。でも、ちょっとこだわりたいなあという場合にはマニュアルモードでの撮影をオススメします。
そうは言っても、いきなり何でもかんでも自分で調整してみろというのは無理がありますので、まずは基本的な設定項目だけに絞って簡単に説明します。
今回説明するのは主に写真の明るさに関するもので、ISO、露出、シャッタースピードの3つです。これらはお互いに関連していますが、まずは個々の言葉の簡単な説明をします。
ちなみに、カメラであればもう一つ「絞り」という項目があるのですが、私が手元に持っているスマホのマニュアルモードにはなかったので、ここでは取り上げませんでした。
1.写真の明るさに関わる設定項目
1.1 ISO
ISOと言うのは光に対するセンサーの感度のことです。この数値を大きくすると感度が高くなり、他の条件が同じなら写真がより明るくなります。逆にこの数値を小さくすると感度が低くなり、他の条件が同じなら写真は暗くなります。
この数値を調整する意味ですが、実は数値を小さくすると写真の画質が向上します。明るいところだとあまり目立たないかもしれません。少し暗いところを写すときには、この数値が小さいほど画質は向上します。この数値を大きくしすぎると画質が粗くなりすぎて被写体の質感がすっかり失われることもあります。
1.2 露出(EV)
露出というのは、もうそのまま「どれくらいの明るさの写真にするか」、ということです。単位はEVというものを使います。0 EVを適正露出と言って、スマホが考える「これが今の被写体を撮影するのに適切」な露出です。露出はたいてい±2EVくらいの範囲で調整することができます。調節のステップは恐らく1/3 EVずつではないかと思います。
結構明暗を変えられるのですが、画面内の一部だけが特に明るいときや特に暗いときには± 2EVでは物足りないかもしれません。
実はこのEVの値を変えると、スマホはISOとシャッタースピードを自動で変化させます。(自動で変化させる項目はスマホの機種によるかもしれません) どれくらい変化させるかはスマホメーカーの味付けが入るので、全てに当てはまる言い方はないと思います。但し、露出を上げるにはISOを上げたりシャッタースピードを下げたりします。露出を下げるにはISOを下げたりシャッタースピードを上げたりします。
1.3 シャッタースピード
これは一番分かりやすい言葉かもしれません。スマホのカメラのセンサーに外界からの光を当てる時間です。機種にもよりますが、長い方には数十秒、短い方には1/10000秒以下までと、非常に幅広く変化させられるものです。
シャッタースピードが速い程、短い時間しかセンサーに光を当てないので、撮影された写真は暗くなります。逆にシャッタースピードが遅いと、長い時間センサーに光が当たるので、撮影された写真は明るくなります。
2.高画質の写真 vs ブレない写真
上記の3つの項目を調節することで、撮影される写真の明るさを変えることができますが、何を考えて調節すればいいのでしょうか?
究極の判断としては、画質を優先するか、ブレないことを優先するかということだと思います。
「ブレ」が出てきたので、ここで簡単に触れます。ブレというのは動きによって写真がぼんやりしたものになることです。
「動き」といっても、撮影するためにスマホを保持する手がフラフラする動きと、被写体の動きがあります。スマホを保持する手がフラつく場合であっても、最近はスマホの手ぶれ補正が優秀になってきたので、よっぽどの条件でない限りは考えなくてもいいかもしれません。自分で撮影した写真を拡大してみて、はっきりとシャープに写っていないところがないか確認しながら学んでいくしかないかもしれませんね。
画質と直接結びつくのはISOです。できるだけ良い画質の写真を撮影しようと思えば、まずISOの値を小さくしなければなりません。とはいえ、100~200以下ならば殆どの場合は「高い画質」で撮影できると思います。
但し、被写体がだんだん暗くなるとシャッタースピードがどんどん遅くなっていきます。すると画質は高いけれどもブレた写真になりやすくなります。
ブレと直接結びつくのはシャッタースピードです。スマホの手ぶれ補正が優秀になったとは言っても、シャッタースピードが1/10秒より長いと、スマホを持つ手のせいで写真がブレてしまう可能性は高いと思います。また、被写体が動いている場合には、その動きが殆ど止まって見えるようになるまでシャッタースピードを短くする必要があります。
最後に写真の芸術性があります。画質が高くてブレもない、という方向の芸術性もありますが、それとは違う方向の芸術性もあります。画質が高いけれどもブレをうまく生かして動きを表現するというのも一つの方向性ですし、画質がとても低くなったとしても速い動作を止めて瞬間を表現するという方向性もあります。
芸術性を入れると急に判断が難しくなりますし、私自身も説明することはできませんので、これ以上はやめておきます。
私自身の基本の設定方法を一つ紹介します。
私はどちらかというと画質優先にしたいタイプです。ですので、よく使うのはISOを先に決めてしまう方法です。これで画面に表示されるシャッタースピードが1/10秒より長いようならブレの心配がありますので、シャッタースピードの変化を確認しながらISOの値を大きくしていきます。
それでも、できればISOは200までにしておきたいので、シャッタースピードが1/10秒より長いときにはスマホを保持する手を壁にくっつけるとか、スマホをテーブルや台などに置いたりしてからシャッターボタンの操作をしています。それでもうまくいかないときは連写して後でブレていないものを探すこともあります。
3.被写体のコントラストが高いとき
被写体の一部が特に明るいとか、特に暗い場合があります。しかもその部分を特に撮影したいとき、オートモードではなかなかうまく撮影できないときがあります。
こういうときにはISO又はシャッタースピードを積極的に利用すると狙った部分をちょうどいい明るさで撮影することができる場合があります。
例えば、撮影したい場所が写真のほんの一部で、そこが特に明るい場合は、オートで撮影すると真っ白にしか映らないということがあると思います。夜空に浮かぶ満月も、こんな被写体の一つです。(もちろん今は上図に撮影してくれるスマホもありますが…)
こういうときにはISOの値を思い切り下げてみるとか、シャッタースピードを思い切って短くしてみるといいかもしれません。
暗い部分を撮影したいなら逆の操作をします。ただ、この場合はうまく撮影できるかどうかは状況によることが多いような気がします。明るい部分の光が被ってしまって、目的の部分がキレイに撮影できないこともあるからです。でも、何もしないよりはマシだと思って使っています。
スマホという小さなものにカメラの機能を収めているので、ここは割り切って使うという姿勢も必要なんだと思います。とにかく高画質を!という場合には、やっぱりスマホより大きくて重いカメラが必要です。
それではスマホのカメラのマニュアルモード1の話はこれでおしまいです。